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そうだ!
私は鞄から教科書を取り出した。
あった!!
カスタードクリームの作り方!!
感動してると水瀬千明が後ろから教科書を覗き込んできた。
あまりに近い距離にドキッとする。
うわ……っ。
なんか、甘い匂いする……。
「昨日俺が言ったこともう忘れたのかよ」
「え!?」
「このまま作っても美味くねぇって言っただろ?お前今日何か変……」
私と目が合う水瀬千明。
それからジッと私の目を見つめた。
「小動物……?」
「え……」
固まっていると如月勇気が私と水瀬千明の肩を叩いた。
「早くしなきゃ時間無くなっちゃうよ?」
「あ……ああ……」
「熊ちゃん、今日はやたらとボーッとしてるから俺と一緒にカスタードクリーム作ろっか」
「え?ありがとう……」
「んーん。はい、じゃあ始めるよー」
如月勇気が手際よくというか、適当というか……
材料を混ぜて火にかけてカスタードクリームを作り上げる。
うわあ!!
「凄い!!美味しそう!!」
素直にそう言うと如月勇気がニコッと笑った。
「焦げないように混ぜて、トロっとしてきたら弱火にしてバニラエッセンスを入れてね」
「本当にありがとう!!」
「俺もシュー生地作らなきゃ。水瀬ちん怒ると怖いからねー」
ニコニコしながらシュー生地作りに取り掛かる如月勇気。
良い奴だなぁ。
莉央の班のメンバーがいい人で良かった。
なんとかカスタードクリームを作り上げてホッとしていると、何処からか視線を感じた。
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