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裕太が先に歩く後ろを綾音は嬉しそうに付いていく
「裕太待ってよ?」
少し邪魔臭い口調の裕太は、綾香を黙って待っていた。
「今日はどこに行くの?」
「ビックリドンキ」
「相変わらず油ものばっかじゃん」
少し食べたくない事をちらすかせる
「綾音飽きた?」
「次は私のリクエストにしてね」
「綾音かわゆい、抱きつきたい気分」
その裕太の言葉に私は許してしまう
「お前はあっさりとしたポン酢バーガー決定だな、しそと大根付き、決定」
お店に入る前から私のメニューを決める裕太流
「しっかり歩くぞ」
裕太が握ってくれた温かい手は、一生離れる事はないと思っていた。
もし、もし、喧嘩別れしたとしても、握った手は離れる事はないと思っていた。
だって天国のお母さんが私達を応援してくれているんだから
決して背が高い訳でもなく、イケメンにはほど遠い裕太には、私以外の女性を選ぶはずがないと思っていた。
案外店内は満席で、待ち時間の番号順の紙を握りしめ、二人は握った手は離れなかった
「綾音の手は細くて綺麗だね」
その手にキスをしてくれた裕太
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