おばあちゃんの飴玉

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 …おばあちゃん。生前は本当にお世話になりました。そして、娘にも優しく接して下さってありがとうございます。  でも、だけど…ごめんなさい。もう、娘には会わないで。  隣家の方を向き、そっと目閉じると、両手を合わせて私はそう嘆願した。  その瞬間。    ごめんねぇ   優しく懐かしい声が聞こえた気がした。 * * *  翌日、私は娘と共に隣の家を訪ねた。目的はもちろん、おばあちゃんのご位牌にお参りさせてもらうためだ。  手土産は、お隣さんへの菓子折りと、ご仏前にお供えする飴玉の袋詰め。こっちは娘にお供えしてもらうつもり。  おばあちゃん。私にも娘にも、優しくしてくれてありがとう。美味しい飴をありがとう。  ささやかですがお返しです。天国で食べて下さいね。 おばあちゃんの飴玉…完
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