取引

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「...は?」 なんて? てか、誰が言った? 側にいるのはこの女の子だけ。 他に誰かいるのか? すると、その目の前の女の子が俺の方へまっすぐ向かってくる。 「足りませんか? だったら、5000万出します。」 いやいや、そうじゃないよ。 さっき訳のわからないことを口にしたのは、この女の子? 俺は、意味が分からず、思わず黙り込んだ。 「...」 「聞こえませんでしたか? あなたの2週間を「い、いや、聞こえたよ。」 聞こえた。 間違いなく、聞こえた。 「聞こえたけど、あんた、冗談を言っているなら怒るよ。」 あまりにも、ふざけている。 てかほんと、なんの冗談? 「ふざけてなんかいません。 あなたの2週間が欲しいです。」 意味が、わからない。 「いや、欲しいってあんたね... あんたみたいな子が、何言ってんの。もう行く。」 くだらない。 俺は無視して屋上を去ろうとした。
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