第1章

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 ハッ!となった。  上手くやろう上手くやろうと思えば思うほど、空回りしてはいつも失敗してしまっていたし、それがプロの考え方だと思っていたんだ。  「下手な演技をして、飽きられたくないし、そこでプロになれないって言われそうで縮こまってしまって、注意されるのが怖くなって、・・・それで、」  僕は泣き出してしまった。上手くできないを言い訳に、それでも怒られない様にだなんて虫が良すぎだ。  女性はそんな自分の泣いてる姿をみて、「泣かないで。」と頭を撫でてくれた。周りから見れば頭を撫でられている姿なんておかしく見られるかもしれない。でも、そのやさしさに暫く僕は身を任して泣いていた。  しばらくして、僕は照れながらお礼をした。  自分に自信を持って立ち向かっていくことの勇気を女性、いやその彼女から教えてもらった僕は自信を持って彼女に思いを伝えることにした。  「明日、必ずオーディションに受かってきます。そして必ず夢を叶えてみせます。明日の吉報を待っていてください。」  自信が出てきた。何かやる気が湧いてきた。
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