第3章 「 ファイナル・ステージへ 」

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  わーーーーーーーーーっ!!! それまで、息をつめて観ていた観客が、一挙に声を上げた。 歓声と拍手が鳴り止まなかった。 K高校のメンバーは、その反応に驚きながらも、大きく手を 振って声援に応えた。 みんなが笑顔で、拍手してくれている! K校のメンバーは、その熱気に感動していた。 なんだかいつもの風景とは違う、感動が大波のようだ、皆が その時そんなことを感じていたのだった。 放送室で 裳狭も、顔の前で握っていた両手に、涙がこぼれているのに 気がついて、驚いて、頬を手の甲で拭った。 できれば、勝たせてやりたい! 裳狭は、自分がライトを上げられたらと心から思っていた。 体育館の奥の壁際で、いつまでも拍手している男達の中に 山田もいた。 「ほら、おまえのライトだ。」 山田はそれを受け取ると、ギュッと握り締めた。 キラ達バンドメンバーも、勿論このダンスに拍手と声援を送っていた。 「なあ俺達、いい曲作ったよな! あいつらにぴったりだよな!!」
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