第4章 「 これからのふたり 」

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Y高校の羽雅部長が、吉良の友人だと言った裳狭に話しかけた。 「裳狭君はダンス部?」 「いいえ、今まで帰宅部でした。」 「へえ・・・」 「今度、吉良のバンドに入ろうと思ってます。」 「ほんとか??じゃあ、ギターとか弾けるんだ?」 「いえ、まだ初心者です。」 吉良が助け舟を出した。 「あ、裳狭は今日の放送、全部やりましたから。」 「え?そっち? じゃあ、ミキサーとかの方詳しいの?いいなあ、俺 そういうの弱くて。」 「はあ・・・」 吉良は、無口な裳狭をフォローした。 「今日のBGMは、凄かったよ!MCの合間も手抜きナシ! だもんな!」 J高校のひとりも話に加わった。 「手拍子とかさ、ドラムロールとか?よく探したな!」 吉良が自分を指差して言った。 「それ、俺、俺! 俺達手伝ったから!な、九ベエ~?」 「ドラムロールはドラララララーーーッてひたすら叩いただけだ けど。」 ファミレスのドアがスーッと開いて、ゆうき先生が入ってきた。 「お、みんな揃っているな!」 「先生~~~!!こっちこっち!!」 鮠音部長が、立ち上がって手を振った。 ゆうき先生は、他校のメンバーがずい分集まってるな~と感心して 言った。 「お疲れ~!今日はいい大会でした!ありがとう!」 「お疲れ様でした!ゆうき先生、皆さんが話したいこと一杯あるって 待ってました!」 ゆうき先生は少しだけ、と言って座った。 J高校の部長が先に話し出した。 「反省会っていうか・・・ 自分達のダンスが良くなる為には、どうしたらいいか考えなきゃって 今日ほど思ったことはないんです。 勿論、次には勝ちたいですから。 ・・・なんていうか、他の高校のダンスを観ていて、思いました。」 K高校の鮠音がうなずいた。 「しゃべりたくなるんだよね!ナヤミンともずっと話していたけど。」
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