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先生は大きくうなずいた。
「忘れないうちに、話をしたらいいよ。
私も、そうやってきたから。
・・・そうだ、私も聞きたいことがいっぱいあるんだけどね。
たとえば、Y高校の剣技とか!
あれ、絶対やりたいよなあ!!
ライトセイバー、誰だよ、あれやろうって言ったの。
Y校の先生?違うの、え?君?」
すっと手を挙げたのは、Y高校の広戸だった。
「それ、僕です。
あの、先生、僕もゆうき先生に会えたら、聞きたいことが沢山
あって・・・
先生はどうして、プロダンサーにならなかったんですか?」
おおっ!
皆が注目した。
「ああ、そっちか~!
あの、俺も君達のように、高校時代ダンサーに憧れてたんだ。
他にもやりたいことがあったけど、ダンスだけは、難しいって
その当時高校の担任に言われてね。
それで食べていくことができなけりゃ、趣味でいいだろうって。
そんなもんだよな、って思ったよ。
夢は夢でいいかって。
だけど、教師になって思った。
ダンスが出来なかったら、今の俺はいないんだよなって。
だったら、人からなんて言われてもいいじゃないか。
趣味でもなんでも、自分が納得するまでやってやれってね。
今では教師になって、みんなと出会えて、良かったと思ってる。」
みんなの目が真剣だった。
「ようするに、自分が納得すればいいんだよ。
やめたって、続けたって、もう一度始めたって。
・・・それしかなけりゃ、それを続けてみる。
そのうち、自分に必要かどうか、わかるんじゃないか。
すぐになんか、答えがでなくても、いい。
テストじゃないんだ、人生は。
今日のダンスは、みんな自分に納得できただろう?
そういうことの積み重ねじゃないのかな。」
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