「ぜってえ付き合わない!」

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練習が終わって、吉良は裳狭と下校した。 吉良が裳狭に聞いた。 「ダンスバトルってどういうやつ?」 「俺もよくは知らないけど・・・」 裳狭は自販機のジュースを買い、吉良も飲むかと聞いた。 「俺、炭酸のがいい。」 二人は自販機の傍の壁に寄りかかると、並んで飲みながら話を続けた。 「バトル形式っていうのは、2つのチームが交互に踊って、 勝敗を決めるらしい。観たことないけど。」 「あ、あれか? ストリートダンス系ので、そんなの観た覚えがあるな!」 「そっち、俺は知らない。」 「それじゃあ、観客の拍手とかで決まるのか!」 「ストリートって、そういう決め方かあ!」 「ロックバンドのメンバーに、ストリートダンスを やってる友人がいたから。今のメンバーじゃないけど。」 「吉良、ナヤミン達は勝てそうだと思う?」 「おもうね。」 「俺、そこらへんはわからないんだ。」 「だったら、他のやつら、見に行けばいいんじゃね?」 「・・・他校へ、か?」 「そうそう、超エリート校?とかなっ!」 言った後で、ははは!と吉良が笑った。 「やっぱ、敵情視察ってのは怖ええよな! やめとけよ、学校に入るのでも許可がうるせえぞ、きっと!」 「だよな。」 ぐびぐび・・・ 裳狭は吉良が羨ましいと思った。 「俺も、バンドやってみたいな!」 「入るか?いつでもいいぞ~!」 吉良は嬉しそうに言った。 「俺は本気だから。」 「まだ、ダンスバトルの方で忙しいからな。 終わったら、考えてみるよ。 ありがとう!」
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