「ぜってえ付き合わない!」

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さてそのY高校。 練習場の床に全員が倒れこんでいた。 「だり~~~~~~~!! すっげえ筋トレな~~~~!! 体育会系ノリでダンスやるってのも、すげーよな!」 うんうん、とうなずくのは、ダンス部面々。 部長はがばっと起きると、新入部員のカズに声をかけた。 「そうだ、カズ、ダンスバトル用の振り付け、もう出来たのか?」 広戸 和彦(ひろと かずひこ)、部員にはカズと呼ばれていた。 カズはつかつかとフロアの中央にいった。 「じゃあ、踊りますから、ちょっと覚えてください。」 曲がかかると、さっきまでぐたぐただったとは思えないような勢いで カズは軽やかにステップを踏んだ。 カズはゆうき先生のようなダンサーを目指していたが、今回 惜しくも5位入賞で終わっていた。 そこに、降って湧いたような学校対抗バトルの話があり、 ダンス部に入ったのだ。 柔軟な身体がしなり、ステップをしながら回転するダンスに、 部員全員が唸った。 「うおおお!!あれ今のどうやったんだ?!」 「ステップの連続は、全員が揃うと綺麗ですよ。 じゃあここまでやってみましょう。」 練習場の外では、共学になった恩恵で、女子がきゃーきゃー 言いながら窓から観ていた。 「よしっ!あったまったところで、全員で回転するぞ!!」 「部長~~~!部長が言うと、回転寿司みたいに聴こえるんすけど。」 「おまえだけ回転禁止な。」 「うわっどんなダンスですか!!」 「題して恐怖の罰ゲームダンス!だな。」 笑いながらうなずくカズ。 「面白いですね、それちょっとやってみましょう!」
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