「ぜってえ付き合わない!」

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吉良の言葉に、裳狭は一瞬ためらったが、うなずいた。 「そうだな。ダンスは俺、苦手だし。 吉良となら、音楽作るのきっと楽しいから。」 納屋実もうなずいた。 「いいね~~!!でも、ダンス部はいつでもウエルカムだよ!!」 「かけもちは辛いな!」 「ははは!!来年の文化祭はもっと忙しいかもな!」 「やめてくれ!大学受験どーすんだよ~!」 「どんな大学行っても音楽はやれるぞ~!」 「おいおいおい~~~!」 納屋実は笑って部員に言った。 「それじゃあ、決勝用のダンス、今日から作っていこう! 部長、これ、モサモサが作ってくれた曲! 私もまだ聴いてないんだ~~!!」 部長が裳狭に感謝!!と言ってCDにもおじぎした。 「それじゃ、かけるね!みんな、こっちに集合!」 タオルで汗をぬぐいながら、皆真剣な表情で聴き入っている。 音楽が終わった瞬間、大きな拍手が起こった。 「裳狭君~~~~~!!凄い!! これって、吉良さんのバンドの曲?」 部長は興奮したように言った。 「オリジナルじゃない!!」 納屋実も驚いたように言った。 「凄い!!これ、使っていいの?!」 吉良と裳狭は顔を見合って、笑った。 「吉良がいいって言ったんだ。」 「一曲まるまる使えるって言うなら、いいかって。 バンドのみんなも賛成してくれたからな! ほんとは生演奏したいけど、それじゃあ他の高校に悪いだろ?」 部員はみんなでうなずいた。 「悪いよね!ほんと、これだけでもフェアじゃないかもって思う! でもさあ!これで絶対、ダンスしたい!!」 納屋実の言葉には、今まで以上に熱がこもっていた。 「絶対、この曲!ダンスしたくなる!!!」
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