「ぜってえ付き合わない!」

23/27
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
裳狭は納屋実の言葉に、ドキッとした。 吉良は納屋実にどうも、と丁寧に答えていた。 部長がそれじゃあと皆に声をかけた。 「ナヤミン、決勝戦用の振り付け、考えよう!」 「今なら出来そう!!」 それから何度も何度も、繰り返し流される曲。 ダンス部の全員が、汗だくでステップを踏んでいた。 裳狭はそれをじっと見ている自分が、なんだか恥ずかしくなって 吉良を引っ張って外へ出た。 「なんだよ、練習付き合わないのか?」 「いや・・・なんだか場違いな気がして。」 「え? そうかあ??モサモサはいい仕事してるじゃないか!」 吉良は裳狭を慰めようとして言った。 「でもダンスを観てるだけっていうのが・・・」 「・・・なんだ、そういうことか。 ナヤミン、綺麗だったよな?」 吉良の真面目な言葉に、どう答えればいいのかわからないと、 裳狭は思った。 「・・・別に・・・」 「そうだよ!別に、気にすることないだろ? ほら、もう一度練習場へ行こうぜ?」 裳狭は、そうだけど・・・と口ごもった。 「今日は、帰って曲の仕上げする。 他の学校の曲も、あずかっているんだ。 それ、クリアにしなきゃならないし。」 「わかった。じゃ、俺もライブに行くから、ここで分かれようぜ。 じゃあな、モサモサ。また明日!!」
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!