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裳狭は吉良の言葉が耳から離れなかった。
「ナヤミン、綺麗だったな。」
裳狭は自分もそう思うと言えなかったのが、何故なのか
考えたくなかった。
やっぱり、先に言ったのは、吉良なんだ。
何故か、それだけでも悔しい。
なんなんだ、この気持ち。
「そんなの、誰だってそう思うって!」
・・・なんか違う。
くそ・・・
裳狭は帰宅してすぐに部屋に閉じこもって、音楽に集中しようとした。
だがすぐに気が散って、気がつくと1時間もぼーーっとしていた。
・・・ちきしょう!
俺はやっぱり、ダンス部に行くべきじゃなかったんだ・・・
ちきしょう・・・
でも、この音楽は最後まで仕上げないと!
ううう~~~~~!!
「うがあああああああ!!」
とんとんとん・・・
「お兄ちゃん!!うるさいよっ!!ご近所迷惑だからっ!!」
「うううう・・・くっそおおおお!!」
バタンッ!!
「お兄ちゃんっ!!何唸ってるのっ!!ダメでしょっ!!」
「うっさいなあっ!!」
「ご近所さんに謝ってもらうよっ!!」
「くそ妹っ!!おまえはおかんかっ!!」
「おかんじゃないもんっ!!馬鹿兄貴っ!!」
「うるさいっ!わかったから出て行けって!!」
「騒がないでねっ!!じゃないと~~!」
「・・・・・・・・・出て行けって!!」
バタン・・・とんとんとん・・・
(ちょっとまて・・・騒いだらどうするつもりだったんだろう?)
「うがあああっ?!」
とんとんとん・・・バタンッ!!!
「女神にかわって~~~~~えっ!!
おしおきよっ!!!!!」
てんてんてん・・・
「・・・おまえ、やっぱり馬鹿だろ?」
「・・・もっとやって欲しい?」
「いえ、けっこうです。」
「うむっ!」
バタンッ・・・とんとんとん・・・
「・・・さてと。
ふ~~~~・・・
やるか。」
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