第3章 「 ファイナル・ステージへ 」

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第3章 第1話 「 準決勝 」 休憩の間も、K高校の皆は準決勝の準備に忙しく動いていた。 それを観ながら、R高校の女子は言った。 「私達、シード枠をくじで引いた時は、2回だけだからって思ったけど K高校、やばいよね!あんなにクールだなんて!」 R高校のメンバーはまだ興奮しているのか、席に座って話をしていた。 「なにあれって思った! だってさ、あの死神バンドだっけ?あのバンドの曲に、ぴったりで 凄かった!鳥肌だったよ!」 「今度さあ、あのバンド観に行こうよ!!」 その、キラ達は、休憩を利用してダンスメンバーを訪ねていた。 「おー!いいノリだったな~!すげー目だってたぞ~!」 「あ、お疲れ様です!え、なになに?」 キラ達が手に持ってきたのは、手作りのクッキーだった。 「文化祭で俺らに作ってくれたの、沢山あるからやるよ!」 「マジで~~~~~!きゃ~~~!ありがと~~!」 みんなが大喜びで食べているのを観ながら、キラが言った。 「モサモサ、上にいる?」 「うん、ずっと放送室。」 キラが放送室に駆け上がると、そこにはぐったりした裳狭がいた。 「おおい、差し入れ~!」 はっと気がついたのか、目を開けて裳狭がそれを受け取った。 「クッキーかあ、サンキュ!あ、そこにウーロン茶があるから 飲んでいいよ。」 ごくごく・・・ムシャムシャ・・・ テーブルの上にはゆうき先生の司会者用台本があり、その横には 裳狭が作った時間とCDのナンバーを書き込んだタイムテーブルの 台本があった。 赤いラインが引かれていて細かい指示が書かれている、その 台本を見ながら、キラが裳狭に言った。 「すげえな、あれだけの音、全部編曲したんだろ?」 「うん・・・」 「そうだよな・・・放送する時に、音の大きさが違うと 舞台上で大変なことになるもんな。 そういうの、経験あったんだ?」 「いいや? ただこういう放送室の機材って面白いよ。 CDの方は、録音状態をPCで聴きながらやったから別に。」 「なあ、ぶっちゃけ・・・ どこが勝つ?」 裳狭の手が止まった。 「わからない・・・本当に・・・ あ、時間だ、じゃあ、吉良、始まるからまた応援しててくれよ!」
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