第3章 「 ファイナル・ステージへ 」

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N高校が位置についた。 「対するは、N高校、女子3人組だ! さっきは人形のようなダンスだったが、今回は? レディ・GO!」 今度の曲は、歌謡曲をアレンジしたもので、ダンスは ガールズヒップホップだ。 舞台上の3人は、さっきとは違う、一重の袖なしのストンとした Aラインのワンピースで、広がる裾はエンジェルトランペット という花のようだった。 会場の女の子達がため息をついて言った。 「あれって朝顔の花みたいなドレスだよね!」 「ひらひらしててきれい~!」 曲は女性の恋愛もので、さっきの人形だった女の子が とても色っぽい動きに変化していた。 3人で片手を中央に向け、円陣をつくるような位置で もう片方の手を大きく後ろに伸ばすと、それが体をのけぞらせる 動きになった。 そこから円の一方方向へステップで回転しながら胸、腰と揺らして 動いた。 円の動きから縦一列になり、手を千手観音にしたり 横一列で身体をグラインドしたりと、とても柔らかな動きで 恋愛の甘さを表していた。 それは、さっきまで少女だったのが、乙女に成長したような 感覚だった。 ふわっと3人がジャンプして着地すると、音楽が止まった。 大きな拍手と歓声が響いた。 「さあ、男子のアクロバテックなダンスと、女子の花のようなダンス! これもまた、難しい対戦だ! 勝ったのはどっちだ!」
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