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「カイト、脚は大丈夫か!?」
「大丈夫ですリューさん! まだいけます!」
「よし、じゃあ頼んだぜ!」
リューがスローイングで僕の足元へとボールを投げ込んでくる。
容赦のない弾速だ。
しかしリューがその弾速に持たせた意味なら、距離を詰めてきたディフェンダーの姿を視界に入れた瞬間に悟っている。
フィールドにいるのは、敵味方五名ずつの計十名。
サッカーではない。
だがそれでいて、フットサルでもない。
退廃したこの世界に生まれた、新時代のスポーツ競技。
ストリートサッカー。
このスポーツには、時間と得点の概念以外のルールが一切存在しない。
ストリートの文字通りフィールドの作り方なんてものも、存在しない。
ガシャンッ!
リューの投げたボールの勢いを殺さず、右辺のフェンスにぶつける。
その跳ね返りを拾えば敵ディフェンダーは置き去り。
センターラインを突破した僕の前を塞ぐのは、左右ディフェンダーの二人と、ゴールキーパーの合計三人。
そして左方のトップでパスを求める、リオ。
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