Prorogue -2-

3/7
前へ
/88ページ
次へ
《ここにいるお前ら、そしてスマホの向こうにいるお前ら、よく聞いておけ。断言してやる。俺達ジェイ・グライダーズは、絶対に負けない》 有言、実行。 これはチームディレクターの教えだ。 リューがそう言い放ったように、僕達は負けない。 言い換えれば、負ける事が許されない。 《この世界が終わっちまってから四年の月日が流れた。そろそろ飽きてたところだろ? 怯え、苦しんでるクソみてぇな生き方によ。だが俺達はそんなのとは無縁な生き方をしてる。なぜなら、強いからだ》 リューが言うように、なんの前触れもなく世界は死んだ。 世界の死に希望の光を差さんとするのが、僕達。 強さを失ったこの世界の指標とならんとしているのが、僕達。 《俺達を倒せる自信があるヤツらがいれば出てこい。フィールドとボールさえ用意したなら、こっちのほうから出向いてやるよ。お前らに有利なゲームでいい。それを覆した上で勝ってやるさ》 この世界における力関係の序列は乱れまくっていて、絶対的な強さを持つ存在などこの世にはない。 しかしこのストリートサッカーの世界でなら、違う。 人が頼り、崇め、そして不安の全てを忘れられる存在。 ジェイ・グライダーズは、絶対的な強さでなければならない。 《最後にもう一度言わせてもらおう。俺達は、絶対に負けない。……以上だ》  
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加