プロローグ ~未来の記憶~

11/18

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「ヴァゥァァウッ!」  双頭の影が飛びかかる。  少女はバックステップでそれを交わすと、 倒れていた机の天板にそのまま足裏を重ね、 勢いをつけて跳躍した。  獸の頭上に飛翔する少女。 大上段に振り上げられる仮のデバイス。  飛び降りざまに刃を振り下ろす。  が、 獸は一瞬早く切っ先を掻い潜る。 仮のデバイスは高い音を立て床面に激突し、 火花を散らした。  少女の背後に回る獸。 身を返す少女。 「ヴァルガァゥッ!」  獸は真っ向から襲い掛かる。  少女は地を蹴って飛翔し空中で旋回。 獸は牙を天に向け落下を待った。 しかし、 振り下ろされた仮のデバイスが、 たちまちその身を縦一文字に切り裂いた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加