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「~うん・・・」
案の定それでは、
目覚まし時計に手はちっとも届かなかった。
本人は、
今にも目が下まぶたに張り付きそうで、
本当に眠そうにして、
何をしているかおそらく半分寝ぼけているのだろう、
その場で座り込んで、
懸命に手を伸ばしているだけで、
遥か彼方上で鳴り響く目覚まし時計には届かない。
「゛あーん」
また欠伸をする愛。
いつまでたっても届かない目覚まし時計。
ようやくそれに気がつて、
今度は、
棚めがけて飛びかかる。
その瞬間だった。
ガチャガチャドッカン!
ガッツン!!
派手な音と鈍い何かにぶつかる音がして、
うるさい音を鳴らしながら目覚まし時計が五個とも落ちてきた。
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