第一章~闘う理由~

7/20
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「~うん・・・」 案の定それでは、 目覚まし時計に手はちっとも届かなかった。 本人は、 今にも目が下まぶたに張り付きそうで、 本当に眠そうにして、 何をしているかおそらく半分寝ぼけているのだろう、 その場で座り込んで、 懸命に手を伸ばしているだけで、 遥か彼方上で鳴り響く目覚まし時計には届かない。 「゛あーん」 また欠伸をする愛。 いつまでたっても届かない目覚まし時計。 ようやくそれに気がつて、 今度は、 棚めがけて飛びかかる。 その瞬間だった。 ガチャガチャドッカン! ガッツン!! 派手な音と鈍い何かにぶつかる音がして、 うるさい音を鳴らしながら目覚まし時計が五個とも落ちてきた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!