0人が本棚に入れています
本棚に追加
時折、
少女の表情が苦悶に歪んだ。
混濁した意識が頭痛を引き起こしていたのだった。
やがて彼女は周囲への視線を解いた。
そして、
両の手の平をそのささやかな胸の前に二つ並べ、
じっと見つめた。
手の平に、
一粒、
また一粒と、
砂礫が落ちかかる。
少女はとっさに身を翻した。
突然、
天井の一部が音を立てて崩れ出し、
今の今まで座っていたあたり落ちかかる。
ひと抱えほどもあるコンクリートの塊が床を直撃し、
粉々に砕け、
砂塵を巻き上げた。
轟々という音が、
いつまでも響き渡る。
少女は壁際まで下がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!