歯がゆい現実の迫間で

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「昼間の続きシよ?」  指先までジンジンしてきそうだ。  甘く囁く声に混じった吐息が耳をくすぐり、そして甘噛みされて思わず鳴いてしまう。  私の意志なんて関係なく、私を身体が先に裏切っていく。 「一哉くん…」  なかば泣きそうになりながら顔を向けると、一哉くんは物欲しげな瞳を潤ませて、私の耳に濡れた舌をそわせる。 「や…っ」  自分の身体をもてあました時、一哉くんが私の身体を腕に閉じ込め、キッチンに押しつける。逃れなくして、唇を塞いで舌を割り込ませてくる。  絡み合い、舐られる舌がどこまでも熱い。  ギシッと骨さえもきしみそうなほど抱きすくめられて、キッチンのヘリに押しつけられた背中が痛んだ。  その痛みさえ、一瞬にして感覚の向こうに押し流されるほどに、深く濃くキスを交歓し合う。  息があがり、意識が朦朧とする。  砕けそうになる腰を抱いて、一哉くんは片方の手で私のトップスの背中のボタンを一つずつ外していく。  ひんやりした風が肌を撫でても、すぐに唇からの熱が打ち消してしまう。 「も…一、哉」  一哉くんのキスに翻弄されて、力が入らない身体ですがりつく。  涙を浮かべた私に気づいて、一哉くんはようやく私から少し離れる。くたりとその腕に寄りかかると、一哉くんは自由な片手で、自分のシャツを脱ぎすてる。  呼吸を整える暇もなく、一哉くんは片側の肩にシャツをひっかけたまま、私を抱き上げる。 「このままキッチンでスる?」  楽しそうに一哉くんが耳元で囁く。  慌てて首を降ると、一哉くんは濡れた唇を少し湿らせて、私の額に小鳥がついばむようなキスを落とす。 「じゃあご希望通りに」  一哉くんが私を抱き上げたまま寝室へと向かう。  人1人をさらりと抱き上げるほどに、一哉くんが力強い男の人だと認識させられる。恥ずかしいほどにドキドキする。  かすかに汗の匂いがする胸に顔をうずめる。
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