第1章

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拝啓 亮弥と紅葉へ 今まで愛してくれて誠に有難う御座います。 俺は…いえ、私は幸福者でした。 怒られたり、甘やかされたり、2人の愛情を感じられて、私は凄く幸せでした。 遺される弟、妹達が心配ですが、亮弥と紅葉なら大丈夫だと思います。 私の双子の妹の最赤が一番心配ですが、貴方達と、朱弥と刹那が居れば大丈夫だと思います。 私は18歳で、人生の幕を下ろします。 葬儀屋には話はしてあります。 私の魂は消滅させてくれ、と。 だから墓場に行く事もなく消滅の道を辿るでしょう。 貴方達の娘で居られて幸せでした。 有難う御座います。 親不孝者をお許し下さい。 亮弥、無理は余りしないで下さい。 紅葉、亮弥の傍にずっと居てあげて下さい。 最赤、貴女が私の一番の理解者で愛しい愛しい妹でした。 朱弥と仲良く夫婦円満で居る事を祈っています。 刹那、2人の事を宜しくお願いします。 では、この辺でお別れを。 充実した18年でした。 有難う御座います。 姫薙 最愛
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