第1章 賽は投げられた

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「釜山(プサン)に敵を近づかせるな!弾幕を絶やすな!」  韓国南部最大の都市、釜山(プサン)から20kmの地点に築かれた防御陣地でK30対空自走砲の30mm機関砲が低空で侵入してくる攻撃機に対空砲火を浴びせていた。30mm機関砲がブラストを噴いて炸裂弾を撃ち出すさまは壮観であった。対空砲火で連邦軍の攻撃機を迎撃している100m前方では韓国陸軍第5機甲旅団のK2戦車とK1A1戦車が迫り来る連邦軍戦車と交戦している。 「やった!1輌やったぞ!」  K1A1戦車の120mm滑空砲から放たれたAPFSDS対戦車徹甲弾が敵96式戦車の装甲貫いて撃破した。  しかし、喜びもつかの間だった。  防御陣地に突如、爆弾の雨が降り注ぎ韓国軍陣地を吹き飛ばしていったのだ。  陸では戦車は無防備な空からの爆撃で各個撃破されていく。海軍の象徴でもあったイージス艦は連邦軍特殊部隊によって拿捕、他の艦艇は対艦ミサイルの飽和攻撃で撃沈もしくは大破した。  大韓民国政府は後に全面降伏し数ヶ月足らずで連邦の占領下に入った。    かろうじて生き残った官僚や国民は海軍艦艇や民間船に難民を乗せ日本やアメリカといった国々に亡命していった。 難民を受け入れた国々では第2次朝鮮戦争をきっかけに大問題へと発展をしていく・・・。
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