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「上の情報では奴さん、北の国境周辺に地上軍を集結させているらしい。」
韓(ハン)少佐が怪訝そうに申(シン)中尉や成(ソン)少尉に伝える。
「ホントですか?無線でこの話をしてたら拙いんじゃ・・・。」
「いや俺たち幹部連中ではもう広まってる話だ。近々ややこしいことになりそうだぞ。それより目標機はどこだ?見えないぞ。」
「それって俺たち拙くないですか?このままじゃ俺たt」カッ
成少尉が言いかけた瞬間、彼らの乗った機体がいきなり爆散した。
2号機の韓少佐は申中尉、成中尉両名の乗った1号機が突然爆散したのを見て一瞬思考が止まった。
だが戦闘機搭乗歴10年のベテランである彼は咄嗟に危険を察知し操縦桿を右手前に倒し左のラダーを思いっきり踏んで左90°旋回で回避機動を行った。
「なんだ今のはっ?」
韓少佐は炎を上げながら海に落下していく1号機の残骸を見ながら叫んだ。自分の前で突然爆散した1号機はミサイルアラートが全く鳴っていなかった。通常、対空ミサイルを探知した場合、戦闘機のレーダーはミサイルが接近している警告を鳴らす。しかし、申中尉の乗機のアラートは全く鳴っていなかった。
『これは撃墜されたのか?それとも事故か?まさか・・・』
韓少佐はなぜ1号機が爆散したかを素早く考察し1つの可能性が思い浮かんだ。
「Slam02,This is "K"orean "A"ir "D"efence "C"ommand. Slam 01 disappeared from a radar. Report the situation.(スラム02、こちら韓国防空司令部(KADC)。スラム01がレーダーから消失した。状況を報告せよ)」
その直後、司令部から彼に無線が届いた。
「This is Slam02! Slam 01 has been shot down! Slam 01 has been shot down!(こちらスラム02!スラム01が撃墜された!スラム01が撃墜された!)」
「Slam 02. What kind of thing is it?!(スラム02。どういうことだ?!)」
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