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レイコさんがそうだと言うのだから間違いない。
レイコさんに眼鏡を買ってあげたのだ。メガネっ娘幽霊だ。
疫病神やっくんと貧乏神ビンちゃんが後をつけると意外に隣町に越しただけだった。
早速、復讐劇が始まった。
僕は元彼の情報をネットにばら撒いてみた。
自分が彼に騙された女のフリをして。
すると、すごい反響があった。
彼に騙されたという女の子たちがたくさんいたのだ。
どの娘もやはり、お金を巻き上げられ、最終的にお金が無くなると捨てられた
という者ばかりで、結婚を餌にする手口まで同じだった。
これは立派な結婚詐欺ではないか。
そして疫病神と貧乏神をしばらく元彼に張り付かせておくだけで
十分復讐になった。
男は怪我をしたり、財布をすられたり、車で単独事故を起こしたり
さんざんな目に遭ったのだ。
「なんか俺、疫病神でもついてんのかな・・・・。」
男はそう呟いたそうだ。
「ザッツライト。その通りやで。」
疫病神は親指を立てた。
「疫病神と貧乏神が雁首そろえてるんや。最強やで。
いつもより多めにサービスしたったわ。」
そして、極めつけは、僕が募った騙された女の子たちによる
刑事告訴だ。
あっさり彼は、結婚詐欺で警察に捕まった。
そして、拘置所にレイコさんは出たのだ。
彼はレイコさんの姿を見て、おしっこをちびったらしい。
「ありがとう・・・・。」
僕は初めてレイコさんの声を聞いた。
「よかったね。これで成仏できるね。」
初めての霊との会話だ。
「とんでもない。成仏なんて、できるわけないじゃないですか。」
僕らは耳を疑った。
「なんでやねん、お嬢ちゃん、まだ不服か?」
「もう十分じゃろ。刑務所に送ったんじゃけえ。」
神々も口をそろえて言った。
「あんな、しょうもない男のために死んだなんて。
悔しくて死んでも死に切れない。」
「そんな・・・。僕らの今までの苦労はなんだったんだよ。」
僕もレイコさんに苦言を言った。
すると、レイコさんは急にモジモジし始めた。
「どないしたん、嬢ちゃん、幽霊がおしっこか?」
疫病神が言うと、レイコさんは疫病神にそっと耳打ちした。
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