第一章 僕の守護神が酷い

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今では、父も多少給料が上がり、母の病状も快方に向かい 実家は安定している。 だが、僕のほうは、相変わらずついていなかった。 お金を結構貸していた友人が突然音信普通になった。 友人は借金を踏み倒して逃げたのだ。 僕はなけなしの貯金を貸していたので、結局貯金はゼロになり 1日、食うや食わずの生活をしていた。 親に頼るわけにはいかない。 僕は今夜も、スーパーで半額のお弁当を買ってきて食べた。 遅くまで起きていると、お腹もすくし、電気代もかかるので、 僕はさっさと床についた。 夜中、何となく、部屋の中に違和感を感じて、僕は目が覚めた。 誰か居る。小声で話す声がしたのだ。僕は心臓がバクバクした。 勇気を出して、照明を点けた。 「誰だ!そこに居るのは!」 僕は大声で叫んだ。 ぱっと見、部屋には誰も居ないかに見えた。 よく目を凝らしてみると、部屋の隅に何か小さな20cmくらいの物が二つ見えた。 「あ、バレてもた。」 そのうちの一つがしゃべった。 「アンタがごちゃごちゃ言うから、気付かれたんじゃ。」 もう一つがしゃべった。 僕は死ぬほど驚いた。 ちっちゃいオッサンが二人、部屋の隅でお茶を飲んでいるのだ。 「なななななな、なにっ?アンタら!」 僕はまともに言葉がしゃべれなかった。 「あー、何って、ワシら神様なんよ。」 はぁ?神様?両方とも神様を名乗るにはおこがましいくらい薄汚い。 「まあ、神様言うてもね、疫病神と貧乏神やけどね。」 関西弁が、シシシと笑った。 「もう見られてもうたからにはね。自己紹介しますわ。 わしが疫病神で、こっちが貧乏神。よろしくね。 よろしく言うても、もう坊とは長い付き合いやねんけどな。」 「僕は、夢を見てるんだろうか・・・・。」
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