第二章 腐れ縁とはこのことか

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「私からもお願いします。あの子は、素直ないい子なんです。 ただ、幼い頃から憑かれやすい体質っていうだけで、あの子は苦労してきました。 今までずっと微力ながら、私らあの子を守って来たつもりなんです。 お願いします。荒神様、お力をお貸しください。」 二人のおっさんの土下座に荒神様は呆れ顔だ。 「うぬら、本当に疫病神と貧乏神なのか? 呆れたやつらだ。でも、うぬらの熱意に免じて 願いを叶えてやろう。」 そう言うと、荒神様はどんどん巨大化していった。 見る見る空いっぱいになり、入院している病院の方へ大きな腕を伸ばした。 指で、ヒョイと坊の病院に憑いていた死神の頭を掴んだ。 死神は驚愕の表情を浮かべ、怯えていた。 荒神様は死神をつまみ上げ、大きく口を開け、一口でパクリと飲み込んでしまった。 「さすが、荒神様やで。」 二人のおっさん神たちは、荒神様の力に畏怖の念を覚えた。 ------------------------------------------------------ 僕は意識を取り戻した。 疫病神と貧乏神は、それを見届けると安心して、 病室から出て行こうとした。 「お前ら、行くとこあるのか?」 僕が弱々しく言う。 「大丈夫や。わしら神様やで?仮にも。」 「まあ、またどこかにこっそり住まわせてもらうよ。」 二人は口々に強がりを言った。行くあてなどないのに。 「もしかして、今回もお前らが助けてくれたの?」 二人は黙っていた。 「まあ、行くとこ無いんなら、置いてやってもいいよ。」 おっさん神二人は驚いて振り向いた。 「ええんか?坊。一生ついてないし、貧乏やで?」 「元々じゃないか、そんなもの。」 僕は満面の笑顔でそう答えたのだ。
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