地球最後の日

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オレ達は、遊園地に着いた。 蘭堂さんのどうしても行きたかった所とは、遊園地だったのだ。 「きゃあ、素敵!メリーゴーランド」 流石にジェットコースターとか、バードなやつは故障か自粛か、殆ど休止中だったが、軽めのやつは稼働中が多かった。 蘭堂さんに至っては、行くと決まって電車に乗る前からハイテンションで、園内、動いてるアトラクションの何を見ても、キャーキャーと飛び跳ねて喜んでいた。 「中川さん、私、あれに乗りたいです」 室内型のジェットコースター、昔は一世を風靡した有名なアトラクションだ、どうやら今日のお目当てらしい、運良く稼働中だった。 「中川さん、ドキドキしませんか、私、なんだか怖くなってきました」 それでも、乗りたいのが見てとれて、なんだか微笑ましかった。 「じゃあやめとくかい」 「えーっやだ、絶対乗ります、もう中川さん、意地悪ですね」 あははは、ごめんなさい、 子供のように愉しげに、はしゃぐ蘭堂さんをオレは愛しく思った。 「怖かったかい」 オレの問いに、彼女は最初無言で首を振った。 「はー、凄かったです、でも楽しかったです」 ちょっとふらつきながら出口へ歩む、本当は相当怖がってかなり悲鳴をあげていた、子供のように。 「ジェットコースター、乗った事あるよね」 彼女は普通に答えた。 「いいえ、初めてでした、どうしてもこのジェットコースターに乗りたかったのですが、もう満足です」 彼女は苦笑いをしたが、思えば初めてが多過ぎないかと、不思議に感じた。 その間も彼女は売り物の風船を見ても、着ぐるみに出会っても、ホップコーンの匂いにすら、目をきらめかせ、忙しなく好奇心を満たしていた。
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