4人が本棚に入れています
本棚に追加
「はじめまして、中川翔太さん、私今日、隣へ引っ越してきました、は、初めての一人暮らしです、どうぞよろしくお願いいたします」
と言放って、摘まんだスカートを披露した。
見たところ20才位、素朴で可愛い感じだが、少し変わった突然の隣人にオレは戸惑った。
「はい、よろしくお願いいたします」
簡潔なセリフで済ませようと思ったが
彼女は応えもせずに、くるっと回って淡いピンク色のワンピースを見せびらかした、髪の毛がフワッとはずんで良い匂いが漂った。
「いいでしょ!」
彼女はしきりにボタンの所を縁取る小さなフリルに触れ、それを繁々と眺めていた。
オレは仕方なく、質問した。
「えっと、どちら様ですか」
すると彼女はなぜか、首を傾いで、暫くしてから答えた。
「うーんと、ランド、オ、サウ、…
蘭堂さわ、と申します」
何かおかしい、部屋に帰れと心が警鐘を鳴らした。
「蘭堂さんね、それじゃ失礼します」
と自室のドアを開けると彼女は応えた。
「はい、それではまた後程」
え、変な女性、部屋に入る去り際、彼女は満足そうに微笑んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!