地球最後の日

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「通訳をしています」 きっぱりと彼女は言った。 「凄いですね、英語ですか」 意外と言うか、見かけじゃ分らない。 「いいえ、惑星さんの通訳です」 彼女の言葉に、仕事に自信を持っています的な、強い意思を感じたが。 「は」 「あそこで浮かんでいる、惑星さんの通訳です」 彼女は外を指さした。 うわあ、やっぱりおかしい、悪い人ではないのだろうけど、設定好きの人ってやつか、オレ的にそういうの、ちょっと苦手で、実際に絡んでくるなんてのは漫画とかだけにしてもらいたい、と思っていた。 「惑星さんと地球の代表者との交渉の為にここに引っ越してきたのであります」 オレはがっかりした、願わくは、つまらない冗談はすぐやめてくれ、と切に思った。 「と、言うわけで交渉に入ってよろしいかと訊ねられていますが、どうでしょ」 どうでしょって、オレそうゆう遊び方知らないから、ノリ悪くてゴメンね、なんか恥ずかしくて無理だから、でもカレーライスのご恩もあるし、食べ終わったらはいサヨウナラってのも恩知らずだし、しょうがない。 「あの、惑星さんって、宇宙人、ですよね、な、なにしに来たのかなって」 アホくさ、勘弁してくれ。 「はい、私は惑星です、元々住んでいた星を改造して宇宙船にしました、私と言いましたが、膨大な数の意思の集合体です、その中に惑星の意思も含まれていますので、惑星と呼称して下さい」 彼女は全く態度を改めずスラスラと自分の口で話していた。 「地球で言うところのアンドロメダ銀河で繁栄を極めた一つの文明が、時間で言うところの200万年を掛けて旅してきました、人類にはまだ未知のエネルギー源なのですが、それを得るため、ここに立ち寄りました」
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