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「中川さん、今日もお仕事お休みですか」
彼女の何気ない質問にオレはふと思い出した、今日は出勤して会社に顔でも出しに行こうと思っていたのだが、今朝のあのニュースを見て、ああっ、
「そうだっ」
「きゃあ」
大声で蘭堂さんを驚かせてしまった。
「ご、ごめんなさい、だけど、あのニュース見ましたか、海の水が惑星に吸い上げられているやつ、あれって昨日、帰り際に言っていたやつ、じゃないですよねハハハ」
言っておいて、自分でバカな事を訊いていると、恥ずかしくなった、こんな偶然一つで、まさか昨日の設定遊びが実は真実だった、とでもいうのかオレは。
「はいそうです、作業はもう終わったそうです、約1300万立方キロメートル程頂いたと、感謝申されています」
ええーっ、嘘でしょ、て事は本当に惑星と通信をしているのか、冗談でしょ。
「あは、あははは」
取り敢えずオレは笑った、すると蘭堂さんもつられて笑いだした。
「あははははは」
惑星と協議、オレと、なんでオレか。
「あは、はは、は…」
だとすると、まさかあれも、氷河期に核戦争って、信じられない。
「中川さん、ねえ中川さん」
「は、はいっ」
冗談、きっと冗談だよ、また昨日の設定ゲームの続きだ、うん、オレは額の汗を拭きながら自分にそう言い聞かせた。
「その、中川さん、もし今日もお休みでしたら、私、とても行きたいところがあるのです、お付き合いしてもらえませんか」
なんと、蘭堂さんからのお誘い、オレは即OKした、何処に行くのだろうかと、考えているうちに、惑星の事などキレイに忘れていた。
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