不器用な恋

私・・

「さてと、今日はそろそろ帰りますかねっと。」

『厄介な事になる前に帰った方がいい。』

「やっぱ優しいよなぁ～。素直じゃ無いけど。」

両親は、琥珀の事をよく思っていないと知っている・・
だから・・早めに帰って欲しいだけ・・。

『一言余計、さようなら。』

「おう、また来るからなぁ？じゃあなぁ～。」

琥珀が帰ってすぐに、家が騒がしくなった・・
両親と、弟が帰って来たのだろう・・。

軟禁されてから、視力は落ちた気がするけど・・
聴覚は良くなった気がする・・

静かな部屋へかすかに聞こえてくる声に・・
反応してしまうせいだろうか・・。

会った事も無い・・弟の楽しそうな声が聞こえてくる・・。