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『みんな、今までありがとうございました。いっぱい、元気をくれて。嬉しかったです』
彼女は放送で始めて泣き声を聞かせた。
『ありがとう。みんなのこと、忘れないから』
そうして、誰のコメントを読み上げずに、彼女は消えた。
放送終了の文字が液晶に浮かぶ。
「なんでだよ」
何があったって言うんだ。
どうして?
彼女の家の、ドアが開閉して、今日も怒鳴り声が聞こえる。
恐らく、静かなのは僕の家だけだ。
どこも、きっと、幸せな家庭で、明日のこととか、これからのことを考えている。
でも、その時の僕は、彼女のことしか考えられなくなっていた。
僕はどうしたいのだろう。
彼女に何を望んでいるのだろか。
僕は、君と、これ以上、離れ離れになるのが、とても、辛い。
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