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翌朝。
僕は、僕の両親が帰ってくる前に家を出て、彼女の家のドアに向かった。
朝の7時。
彼女の家のドアが開いた。
彼女が驚いていたのは、もちろん、玄関前にいた不信な男を見たからだった。
もちろん、僕のことだ。
「おはようございます」
僕は生まれて始めて彼女に向かって挨拶をした。
「お、おはよう、ございます」
だが、僕だって驚いていた。
彼女は、制服を着ていなかった。
「隣に住んでいる、小松原です。あの、同じ学校の、1年1組の」
僕はそう言ってから、彼女の戸惑う姿を見ていた。
「あなた、だったの?」
僕が想像していない戸惑いだというのに気づくのに、数秒の時間がすぎた。
いったい、この子は何を言っているんだ?
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