8人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕が君を好きだと言ったら、君は笑うだろうか」
僕はそう言うと、そっと目を閉じた。
これは独り言である。
夜はいつも、僕を寂しくさせてくれる。
両親のいない家。
ただ、2人とも夜勤で、僕が朝、学校に行ってから帰ってきて、僕が帰宅すると、すでに仕事に出ている。
ようするに、僕が家にいる時間に家にいないだけだけれども、僕はずっと独りだ。
ただの、それだけだ。
夜は僕の時間だ。僕だけのものだ。
昔から変わらずにそうだから、別に気にしてなかった。
だが、僕の心は、寂しさの色を知ってしまった。
にぎやかなテレビ番組も。
たくさんのファンを沸かせるアーティストの音楽も。
何も、僕に安らぎを与えてはくれない。
僕には好きな人がいる。
だけど、僕は、その子と言葉を交わすことも出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!