珈琲店

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青山妃(あおやま・きさき) 珈琲店のバイターとして数年働いている。 そんな彼女の特技はコーヒーアート。 よく聞くラテアートとは違い、コーヒーアートというのを特技としている。 コーヒーアートとは、彼女にのみなせる技で、アイスコーヒーとホットコーヒーで技が違う。 アイスコーヒーは、色のグラデーションで描く、立体的な技。 ホットコーヒーはラテアートとあまり変わりないが、こちらも立体的ラテアート。 そう、彼女は立体的な絵をコーヒーで作るのだ。 今日も客は彼女のラテアートを楽しみに珈琲店へ訪れる。 今日もお店は繁盛している。 「ホットコーヒー、ひとつください」 「かしこまりました」 「あ、おねぇさん、このコーヒーアートってなんですか?」 「コーヒーに絵を描く、ラテアートみたいなものです。お作りしますか?」 「じゃあ、お願いします」 「何をお描きしますか?」 「なんでもいいですか?」 「もちろん」 「じゃあ…龍」 「なかなか難しいチョイスですね」 「僕の名前が龍二なんです」 「なるほど、それでは暫しお待ちください」 彼女はコーヒーアートを作り始める。 立体的ラテアート。 今日も、お店は繁盛している。 ほら、あなたも、訪れたくなったでしょう?
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