第1章

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先生に夕食を食べてもらってる間に39度のお風呂を用意する。 ついでに着替えと髭剃りとシェービングも用意。 お風呂に入った先生を見届けてお兄ちゃんに連絡。 「お兄ちゃん、今どこ?」 〔教授の研究室。黒板、書き直しておいたからな。〕 「ありがと!さすが、先生の助手だ!ついでに迎えに来てー!」 〔分かってるよ。教授、風呂入ったの?〕 「4日ぶりくらいかな。そろそろ臭いとヒゲやばかったし、明日インタビューらしいから、無理矢理。」 電話の向こうでチャラチャラと金属がぶつかり合う音が聞こえる。 そろそろ車に乗るんだろう。 私も先生にそろそろ帰ると伝えておいた方がいいかもしれないなぁ。 「そろそろ帰る準備して、あっ」 ぽたぽたと落ちる水滴と手から取られたスマホは、腰にバスタオルを巻いた先生の手の中。 「君たちには本当に…千代くんは今日はうちに泊まってもらいます。明日、僕を起こしてもらわないといけないし、飛鳥くんは帰りなさい。……知りませんよ。それから、飛鳥くん。明日のインタビューとやらには君も出てもらうからそのつもりで。では。」 通話の終わったスマホを差し出されて、こんな事は初めてでさすがに思考が付いていかない。 当の本人はまだ無精髭のままで、私を一度だけ見てからお風呂場に戻っていこうとしているし。 何がどうなっているのか。 いつもなら、お風呂に入ってる先生に「帰りますー」と挨拶をしてお兄ちゃんの車で帰って、翌朝また先生を起こしに来て、3人で朝ごはんを食べて学校へ行く。 というのが定番のコースだったはずなのに、帰る必要がなくなってしまった。 また、お風呂場から水の音がし始めて、肩に掛けていた荷物をまた床に戻した。 このあと、私はどうしたらいいんだろうか。 というか、どうする事が正解なのか。 「ど、どーしよ…」
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