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高校の校舎内、所々に身だしなみをチェックしろと言わんばかりの大きな姿見がある。
俺は自分の教室から一番近いここで、いつものように相棒をかけた俺を眺めていた。
「……」
「……」
ひそひそと女子が俺をチラ見しながら通り過ぎていく。
眼鏡をかけると知的に見えるというマジック。
何かの雑誌で読んだんだ。
入学して、夏が過ぎて秋が過ぎていこうとしているのに…なぜ女子は俺に声をかけてこないんだ?
「今日もやってる…キモッ」
声をかけてくるのはいつも同じ奴。
「うっさい、マユ」
中学からの腐れ縁のマユ。
いっつも俺の横を通るたびに【キモイ】だの【痛い奴】だの好き放題言ってくれる。
教室でも席が近いおかげで、何かとぶつぶつ文句ばかり言われ続けている。
おまけに…マユは目が悪いのに、メガネじゃなくてコンタクトレンズを使っている!
コンタクト使うやつはみんな、俺の敵だ!
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