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その夜、カーツは隊員宿舎の外をぶらぶらと散歩していた。
出動のあった日はたまにこうして精神を落ち着かせている。
一番好きな場所は基地の訓練飛行場から見える深夜の海だった。
明かりの無い真っ黒な海を眺めながら、訓練でよく海に落ちていたことを思い出し物思いにふける。
あくびが出たカーツは、さて寝るか、と地面をつま先で叩くと宿舎へ踵を返した。
宿舎の中で、一つだけ明かりがついている。
「あそこは……ヘミーの部屋か。
へへ、こんな時間になにしてやがんだアイツ」
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