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このことは翌朝早速カミノに告げ口されていた。
「腹筋を出せい! 腹筋を!」
「おい! なんでそうなるんだ!」
「いいじゃんよお。カーツくんばっかずるいぞ!」
カミノは口を尖らせる。
「俺は別に見たかねえんだが……」
「隙ありー!」
アラカナの注意がとけた一瞬をとらえたカミノは、即座に服を捲り上げた。
「うわ……」
そして絶句した。
「岩……?」
「な、言ったろ?」
なぜかカーツは得意気だ。
「……ここまで鍛えてるのに、どうして『ひよこ』なんて呼ばれてるの?」
カミノはそう呟いたあと、ハッと口を塞ぐ。
「あっ、や、あ、ご……ごめん。そのう」
バカにしたつもりはないが、言い方が悪いと後悔した。
上目使いに裁きを待つ。
アラカナは苦笑いで「や、大丈夫」とフォローを入れる。
それからゆっくりと語り始めた。
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