空飛ぶひよこ

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カーツもカミノも、思わず顔をしかめる。 「時々、旋回する時にあの光景が目を塞ぐんだ。 それで訓練中、一度レッド隊のマックとぶつかりかけた。 彼の命を奪うところだった」 アラカナの声のトーンが小さくなっていく。 「俺はもう飛べない、と思った。 『ひよこ』は自分で自分に名付けたんだよ。 未熟で、どんなに上手くなってもチキンなのさ」 「んなこたあねえよ」 カーツは耳をほじくりながら言った。 「スパロウの標語を知ってるか?」 「『全隊精鋭』!」 カミノが間髪入れず答える。 「そうだ。スパロウの一員に『チキン』はいねえ。 そいでヘミーは『アロウ・フォー』だ」 「この腹筋ならアラカナくんはきっと飛べるよ!」 二人の言葉に、アラカナは言葉が詰まった。
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