空飛ぶひよこ

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「スタビーに感謝しとけよ」 控室で一人うなだれるアラカナに、カーツが声を掛ける。 「あいつの直訴でヘミーの処分が軽くて済んだんだぜ」 「それ本当か! 俺今からお礼を……!」 アラカナは立ち上がった。 その肩を、カーツは押しとどめる。 「やめとけ。スタビーがお礼を望んでると思うか?」 「じゃあどうしたら……」 「行動で示すしかないさ。 ……ああ見えて奴はヘミーを買ってるんだぜ。 まあ、俺もカミノも同じだが」 カーツが控室を出た後、アラカナは頭を抱えた。 自己嫌悪で心がすすをかぶる。 そこにカーツやカミノの誉め言葉が光のようにさし込んだ。 「ここまで鍛え上げたら飛べる……。そうだ。 がむしゃらにやるのが俺なんだ」 彼の目がまっすぐ前を向いた。
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