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アラカナ・ヘムライン少年は土の地面に立ち尽くしていた。
サイレンの鳴り響く頭上に、流線型の空飛ぶ化け物・ドラゴンフライが空を好き勝手飛び回る。
茫然自失のアラカナ少年に、巨大な牙が差し迫っていた。
突然、エンジンの地響きが鼓膜を叩く。
この音はどこから?
頭上だ。
黄色いプロペラ戦闘機。
鋼鉄の胴体に矢を握る雀が描かれている。
それは矢のように落ちてきた。
雷のような音で機銃をドラゴンフライに浴びせる。
戦闘機のコックピットには、アラカナ少年と同い年の少年が乗っていた。
地面すれすれで空に帰るその戦闘機の雄姿は、アラカナの憧れと目標になっていた。
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