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――
それから数時間後。
航空戦闘隊、通称「スパロウ隊」。
「全隊精鋭」を掲げる空のエリート軍団であり、ドラゴンフライから人類を守るために発足した。
スパロウ隊の基地に、青ざめている新入りの隊員がいた。
名をアラカナ・ヘムライン。
彼には飛行機乗りとして最悪なあだ名が付けられていた。
「おい、『ひよこ』。
また足を引っ張ったらしいじゃねえか。
辞めちまえよ、飛べねえ奴が『スパロウ』を名乗るな」
同期入隊の男、U・C・マックだ。
目つきはひどいものだった。
生まれつきもそうだが、私怨によるものだ。
アラカナは何も言えなかった。
彼は小隊こそ別だが、飛行訓練でアラカナのミスによる接触事故を起こして以来目の敵にしている。
「やいやい、てめーらレッド小隊が撃ち漏らしたせいで奴らが後ろからノコノコやって来たんじゃあねーか!
ヘミーの初陣に文句言ってる暇があったら……」
長身のカーツがU・Cに突っかかるのを、
「はいはいはいはいどうどうどうどう」
とカミノが犬の首輪を引くように引きはがした。
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