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「チッ。二度とそのツラ見せるなよ」
U・Cはアラカナに肩をわざと当て去った。
「なんでえ、あの野郎」
カーツは興奮収まらぬ様子だった。
「そもそもヘミー、おめえが旋回して逃げきれればゆっくり俺が仕留めてたんだろうが!」
怒りの矛先は同僚のアラカナに向けられる。
「はいはいおしまーい」
カミノが再び間に入り、カーツは溜飲を下げる。
「いや、いいんだ。俺が悪い。旋回できないのが駄目。
いつまでたっても怯えてるのがいけないんだ」
アラカナはぶつぶつと自分に言い聞かせるようにそう言った。
「でもアラカナくん、戦果を上げてたよね。
やるじゃん新入りくん! 次またがんばろーぜ」
カミノが肩をやさしく叩くと、アラカナははにかみながら頬を掻いた。
「へ、へへ……! ああ、頑張るよ!」
「おい『ヒヨッコ』」
アラカナの背中に冷たい声が吹きかけられる。
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