空飛ぶひよこ

7/30
前へ
/30ページ
次へ
声を掛けた彼の名をスタブ・ダブクロプ。 新入りのアラカナと同い年でありながら、先に入隊しすでに数年間もスパロウ隊のエースを務めている。 同時にアラカナの所属する小隊、「アロウ」のフライトリーダーだ。 何と言っても、先程アラカナの危機を救ったのは他ならぬスタブだった。 彼は礼も求めずたった一言だけ言った。 「悔しくねえのか」 この言葉はアラカナの心に深く突き刺さる。 スタブは数年前、アラカナを救ったあの戦闘機の少年でもあるのだ。 彼はスパロウ隊に、そしてスタブの飛行に憧れて戦闘機に乗っている。 「悔しいさ!」 すでに背中を向けているスタブにアラカナは訴えた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加