空飛ぶひよこ

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『フィンガー・フォー』 スタブからラジオ無線で航空隊型の指示が入る。 フライトリーダーのスタブを先頭にして「へ」の字型に戦闘機を並べた。 もっとも後ろに位置するのがアラカナだ。 『ヘイ、ヘミー。今日は自由に飛べそうかい?』 カーツからの質問に、アラカナは少し考えてから答える。 『やれることはやったさ』 『ま、気張らずに行こうや。なあスタビー』 スタブからの返事はない。 『私も援護するから、アラカナくんは安心して飛んでね!』 『了解! お言葉に甘えるよ』 カミノの心強い言葉にアラカナは乗っかった。 だが無線を黙って聞いていたスタブの表情はひとり険しかった。 彼のその表情が暗示していた出来事はすぐに訪れる。
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