15人が本棚に入れています
本棚に追加
駐車場に着いた女は、黒塗りの車に乗り、クラッチバッグからスマートフォンを取り出す。
「もしもし?………ええ。手に入れたわ。………問題ないわ。楽勝よ。………それより、もっと骨のある仕事はないの?」
"次の仕事が来てるよ。だけど難しい依頼だ"
私はどんな仕事もこなしてきた。
今さら、出来ない依頼は何もない。
そんな自信が彼女にはあった。
事実、彼女は組織内でも一、二を争う功績を残していた。
だから、どうせ次も大したものではないと括っていた。
………これから先どんな事が起こるのか知らずに。
「え、どうして今さら ○○○ に?………もちろん出来ますけど……それが依頼になるんですか?………いえ、大丈夫です。こなしてみせます」
通話を切り、そのまま助手席にスマートフォンを投げやる。
髪をかきあげながら、片手にハンドルを握り車を発進。
「いつもよりは楽しめるかしら」
闇夜の街を駆け抜ける一台の車は、そのまま闇に溶け込まれ消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!