第1章

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「こんにちは!」 突然声をかけてきたのは一人の青年だった。 どうやら隣に引っ越してきたらしい。 聞けば地球という星の人間という存在だったという。 「どうして此処に?」 「呼ばれたんですよ。で、少しここで待ってろって。」 「随分素直なんですね。わからないものに従うなんて。」 「それが、わからないんですよ。でもそれが正しいと思えたんです。」 ( おかしなヒトだ…。) そう思いながらも私は彼との会話を一日中楽しんだ。 そして次の日の黄昏時。 「お世話になりました。」 それはあまりに唐突な別れの挨拶だった。 昨日の今日でもう引っ越すのか? 此処は彼には合わなかったのだろうか? 「実は急に呼び出されてしまって。せっかく仲良くなれたのに…。」 「そうですね…。」 だが、此処ではよくあることだった。 しかし、やはり寂しいものである。 何処へ行くのかは聞けなかったけれども 「また、逢えるといいですね。」 自然と出た気持ちだった。 すると彼は 「えぇ、どんなカタチでかはわかりませんが…また、逢いましょう。」 そう言って彼は夜に旅立った。 その数日後。 なんと私は彼と再会したのだ。 彼の言った通り、違うカタチで。 「ははっ!元気そうでなによりだよ。」 そう言って手をとり微笑んだ。 古いのか、新しいのかもわからない 誰かが遺した、何処かの世界の 一冊の、物語に。
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