父と子

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コンビニからの帰りの事だ。 「斎藤さーん!」 「ん? おう」 「お疲れ様っす」 平井君と、ばったり出会った。 「今帰りかい?」 「はい! サークル関係で」 「そうか」 「斎藤さんは仕事の帰りっすか?」 「いや、酒が切れちまってね。買い足しだ。 あ、そうだ、平井君。よかったら、うちに寄って行かないか?」 「良いですけど……俺、未成年っすよ?」 苦笑する平井君に、どういう意味だ、と一瞬考えたが、自分の先程までの行動と、それから手提げのコンビニ袋を思い出して、自分も苦笑する。 「いや、飲みの誘いじゃなくて、今から鍋を作ろうと思ってるんだが、いっしょにどうかなと思ってね」 「鍋いいっすねー今日寒いしっ、ごちそうになって良いんっすか?」 「ああ。近所の特売で、つい肉を大量に購入してしまってね」 「じゃあ、遠慮なく頂きます!」 そう言って律儀に、ペコリと頭を下げてくれた。
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